朝日新聞ネタをもう一つ。朝日新聞では、「ゼロ年代の50冊」という企画を行っています。その中で第1位になったのが、ジャレド・ダイヤモンド氏による「銃・病原菌・鉄」です。彼がもともと地理学者であることはご存知ですか?。
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「経済発展と産業立地の理論 開発経済学と経済地理学の再評価」を著したポール・クルーグマン氏がノーベル経済学賞を受賞したのは別としても、ヘーエルストランド(ヘーゲルシュトラント)氏やデヴィッド・ハーヴェイ氏などの地理学者がゼロ年代になっても注目されています。「記念碑の語るアメリカ−暴力と追悼の風景」を著したフットも地理学者でしたね。
後藤雄二氏は、「地理学における理論の再検討」という論文で、地理学の学問的性格を再検討して、「地理学は『空間的な認識の論理』であり、「空間的なものの見方』である」と述べています。そして、「対象により分類される学問分野ではなく、認識の論理、ものの見方とするのが、適切なのである」としています。
この論文の評価については承知していませんが、ゼロ年代における地理学者(地理学)によるこうような著作の存在を知ると、後藤氏の主張もわかるような気がします。
ところで、ゼロ年代の地理学における主たる議論は何だったのでしょうか?「対象」に関する議論だったのでしょうか?「空間的な認識の論理」に関する議論だったのでしょうか?
もしかして、周辺での議論ばかりで中心部の本質的な議論は空洞化しているということはないでよね・・・
ゼロ年代は社会学の時代ではなく地理学の時代だったと言えたら嬉しいのですが・・・